まるきんの畑から:2024年8月号

今年は35度以上の猛暑日が長く続きましたね。
なんだが暑さに慣れてしまったのか、30度前後でも涼しいのかな?
と思ってしまうときがあります。
暑さが少し緩まってくれると人にとっても柿にとっても良いです。

こちらは今の太秋の様子です。
暑さに負けず、そこそこ大きくなってきました。
ちなみに今かじると旬の時期ほどではないですが、すでに甘みがあります。

8月の作業

潅水

岐阜の本巣では7月末から8月半ばにかけて、2週間以上晴れの日が続きました。
夏場でこれほど雨がない年は数年ぶりです。
水路から畑に水を入れる「潅水(かんすい)」を行いました。

水路からポンプで畑に水を入れています

特に苗木はまだ小さいので乾燥に弱いです。
中にはしおれてしまうものもありました。
苗木には1本つづ水をやりました。

8月中旬になり、ようやく雨が降ったので一安心です。

摘果・枝吊り

果実を間引く「摘果(てっか)」と、垂れ下がった枝を支柱や紐で釣り上げる「枝吊り」を行いました。

今年は比較的多めに実が残っているため、枝が大きく垂れ下がっています。
実が多く残っているところは、実を間引きます。
実が残りすぎていると、互いに養分を取り合って大きくなりません。

枝も大きく垂れ下がっていると折れてしまったり、畑の中を移動しにくくなります。
通路を中心に、支柱を使って枝を持ち上げます。

支柱がないと枝が地面につきそうです

防除

8月の前半はほとんど雨がなかったため、病気の心配は少ないです。
しかし、これからの時期はカメムシに要注意です。
今年はカメムシが多いとの予報も出ています。
引きづつき注意して防除を行なっていきます。

片付け(洗浄)の様子です

カラス対策

7月から引き続き、カラス対策を行いました。
カラスは地面から歩いても侵入してくるため、周囲にネットも張りました。

警戒していたところ、8月10日あたりからカラスの飛来が始まりました。
テグスが張りかけだった箇所は一部被害にあいましたが、
対策が完了してからは新たに被害は受けなくなりました。

さっそく被害にあってしまった果実

カラスの様子を観察していると、畑のすぐ上までは飛んできてはすぐに引き返していました。
テグスの効果が出ているようです。

今の柿畑の様子

ほとんど変化がないように見えますね。
ゆっくりですが、果実は大きくなっています。

2024年8月22日撮影

8月の余談:苗木の育成もつらいよ

今月も、今年からブログで何度も登場している苗木の畑のお話です。

7月にシカの対策を終えてからは侵入されることはなくなりました。
周囲ではうろうろしているようですが、
ネットを外してまで侵入をしようとすることはなくなったようです。

シカの対策が済んでホッとしていると、今度は長い日照りの日々がやってきました。

苗木の多くがしおれてしまいました。
潅水でなんとか持ち直しましたが、葉が落ちてしまったものもありました。
回復してくれるのを祈るばかりです。

この畑のことを振り返ってみるといろんな苦難がありました。

  • 1月:苗木の植え付け(2024年1月号
     植えたときは地面が固く、植える穴を掘るのにとても苦労しました。
     102本という途方もない数を植えるのは気が遠くなるような作業でした。
  • 3月:シカ防止ネットの設置(2024年3月号
     シカの侵入防止ネットを張りましたが、これも地面が固くて支柱を立てるのが大変でした。
     打ち込んでも打ち込んでもなかなか減っていかない支柱を見ては心が折れそうになりました。
  • 6、7月:シカの食害(2024年6月号 2024年7月号
     シカとの戦いでした。対策を講じても何度も侵入されたのは気が滅入りました。
     侵入を食い止めてからも、いつかまた突破されるのではないかと内心ヒヤヒヤしています。
  • 8月:長く続く日照り(今月号)
     シカの次は天候が敵になりました。これほどまで夕立が恋しく思ったことはありません。
     降りそうで降らない夕暮れの空を眺めてはため息を付く日々が続きました。

苗木は一度植えたら大きくなるまで放おっておけばよいというわけではありません。
苗木の育成も苦労がとっっっても多いです。
さまざまな苦難にも負けず、立派な木になって柿をたくさん実らせる、
そんな日を心待ちにしながらこれからも育てていきます。

投稿者プロフィール

Kunitaka Ota
Kunitaka Ota
就農4年目の見習いです。
柿ができるまでの過程、自然の移ろい、柿作りへの思いなどをお届けできればと思います。ブログを通じて柿や丸金青果をもっと身近に感じてもらえれば嬉しいです。

柿の栽培以外にも、農機具の整備修理、土木工事、ITエンジニア(?)をやったりします。「丸金の何でも屋」になることを目指して頑張ってます。